こんにちは、スーです。
SNSでもよく見かける『実験用シンク』と『病院用シンク』。
シンプルな見た目とお求めやすい価格で人気の商品ですが、2つの商品は混同されがちですが別物です。
(わたしも途中まで間違えてました)
そこで本記事では、
- 『実験用シンク』と『病院用シンクの違い』
- 実際に使ってみたメリット・デメリット
について紹介したいと思います!
意外と知られていない「取り付け方の違い」についても解説しているので採用を検討している方は必見です!
正式名称(品番)
そもそも、よく聞く『実験用シンク』『病院用シンク』というの商品は商品名ではありません。
あくまでも愛称です。
陶器製で、幅が大きくて深さがあることから学校の実験室や病院で使われることが多く、その名で呼ばれているそう。
メーカーの正式な名称と品番はこちら。
実験用シンク…陶器製流し(SK6・SK7)
病院用シンク…病院用流し(SK106)
どちらもTOTOの商品です。
実験用シンクと呼ばれる商品には、大きさの違いでSK6とSK7という2つの品番が存在する点も注意点です。
広く親しまれている愛称なので検索するとたくさんヒットしますが、メーカーへの正式な問い合わせ時には正式名称(品番)で伝えるように注意しましょう。
『実験用シンク』と『病院用シンク』の違い
ではこの2つのシンクの違いについて説明します。
違っているのは次の3点。
①寸法
②フチの形状
③取り付け方法
①寸法
幅76cm×奥行47.2cm×深さ16.5cm
これを基準に考えてみると、
大きさが(ほぼ)一緒で深さだけが異なるものが病院用シンク
幅76cm×奥行47.2cm×深さ22.5cm
そして、幅と深さがひとまわり小さいのが実験用シンクSK7です。
幅61cm×奥行47cm×深さ15.2cm
なかなかこういう深型の大きなサイズのシンクはないので、人気が高いんですよね。
大きさで比較すると、大きい順から
病院用シンクSK106 >実験用シンクSK6 >実験用シンクSK7
②フチの形状
また、見た目はどれも似ていますが、実験用シンクと病院用シンクではフチの形状が少し違います。
こちらが実験用シンク
そしてこちらが病院用シンク。
よく見ると実験用シンクの方がフチが厚くて太いのがわかるかと思います。
病院用シンクの方がよりシンプルかな。
フチの形状が薄いのが病院用シンク、暑いのが実験用シンク
↓寸法とフチの形状の違いを表にするとこんな感じです。
【比較表】 | 実験用シンク | 病院用シンク | |
SK6 | SK7 | SK106 | |
幅 | 760 | 610 | 760 |
奥行 | 472 | 472 | 470 |
深さ | 165 | 152 | 225 |
フチの形状 | 厚みがある | 薄い |
③取付け方法
それからあまり知られていないのですが、これらは取付け方も異なるのがポイント。
SNSでよく見かける、カウンターに埋め込んで作るタイプは病院用シンクのみの仕様です。
実験用シンクは基本的に壁付けの固定金具がセットになっていて、その金具で本体を固定します。
↓このように独立して使うのが正式な取付方
でも、SNSを見ていると実験用シンクが埋め込みになっている写真もいっぱいあるよ?
物理的にできなくはないけど、正式な取り付け方ではないからメーカー保証は外れちゃうかも。
なるほど。リスクがあるのか。
しかも実験用シンクは埋め込みを前提にしていないから、カウンターとフチの取り合いは綺麗に仕上がりにくいんだよ!
普通、埋め込みの商品は病院用シンクSK106のようにフチが羽のように平らになっていてカウンターにも綺麗にはまるのですが、実験用シンクはフチの形状がフラットではないのでぴったりはまりません。
↓これが病院用シンク
ポイントはこのフチの部分。
このフチの底辺部が水平であることによって、カウンターとピッタリ隙間なくはまるようになっています。
一方で実験用シンクの断面がこちら。
前述したようにフチの形状が病院用シンクよりも分厚くてゴツイんです。
病院用シンクと違ってフチの底辺部が水平ではない(斜めに傾斜している)ので、水平のカウンターにはピッタリはまらないんです。
カウンターはめ込み納まりができるのは“病院用シンク”のみ!
実際、実験用シンクを採用した我が家もこの隙間を解消するためにシンクとカウンターの間には太いコーキングが。
結局は隙間をこういう風に処理するしかないんです。
横から見るとこんな感じ。
言われなければ気にならないかもしれないけど、言われたらすごく気になる!笑
コーキングは汚れやすいし、ないに越したことはないかな!
このフチのカーブに沿ってカウンターを掘り込めば綺麗に納まりますが……現場でそこまで加工するのはほぼ無理です。
やるとしたら加工工場で特注してもらう費用がかかると思っていた方がいいと思います。
このコーキングが妥協できない方は埋め込み納めを辞めるか、病院用シンクを選択する方が無難です。
実験用シンクをカウンターはめ込みにする場合は
・メーカー保証外
・太いコーキングで仕上がる
実際に使ってみたメリット・デメリット
ではここからは、実際に使ってみた感想をお伝えします!
我が家は当初一番見た目がスッキリした病院用シンクを検討していましたが、洗面台の全体バランスから深さを浅くすることに決め、実験用シンクSK6を採用しています。
▽1から設計した造作洗面台の記事はこちら
実際に使ってみたメリット
幅が広くて2人でも使いやすい
シンクの幅が広く使い勝手は非常にいいです。
1人が顔を洗っている横でちょこっとコンタクトを洗ったり、幅が広いだけでストレスが減った気がします。
2ボウルの洗面台も人気だけど…
それだと費用が2倍かかるじゃん!そこまではかけられないよ!
という人にはこの幅の広いシンクはとってもおすすめです。
深さがあって色々な使い方が可能
このシンクのもう一つの特徴である深さは、魅力的です。
浅い実験用シンクでも15センチ、病院用シンクでは22センチもの深さがあり、使い方が広がります。
たとえば、大きさを活かしてシンクにそのまま水を溜めて汚れた作業着や部活着など幅を取る洗濯物を手洗いすることも可能ですし、シンクが広いので隅っこに水を張ったバケツを置いておいても邪魔になりません。
深さがあるので作業中に飛び散ることも少なくストレスが少ないです。
▽この深さは洗い物をする時に大活躍します
実際に使ってみたデメリット
逆に、使ってみて初めて知ったデメリットもあります。
勾配が緩く汚れが溜まりやすい
使ってみるまでわかりませんでしたが、このシンク、勾配がゆるめで、水は流れますが、汚れが流れにくいです。
1回1回きちんと水で流す作業をしてあげないと、すごく汚れやすいというのが実感です。
どんどん汚れてしまう印象なので、気が付いた時にこまめに掃除をしてあげないといけません。
もちろん、陶器製なのでスポンジでさっとこするだけで綺麗になりますが、汚れの溜まりやすさは想像以上でした。
口コミでもメンテが大変ってたまに見るけど、「確かに」と感じました!
↓洗面台にこのコーティングを施したらだいぶ違ったので、よかったら参考にしてください。
(こまめに塗り直しが必要ですが)
▽「弾き」の記事はこちら
水を溜める時に排水溝部分を触らなければならない
汚れが溜まりやすく掃除をこまめにしないといけないのですが、そこでまた気になるポイントが。
このシンク、深さがあって水を溜めるのに便利ですが、排水溝を閉じる時に排水ボタンがあるわけではなく、排水溝そのものを触らなければいけません。
わかりづらいんですけど、ここをクルッと回すことによって排水溝の開閉ができます。
掃除をする時はもちろん、水を溜めたい時に毎回触らなくてはいけないのが地味に嫌です(苦笑)
どう頑張ったって髪の毛とか汚れがたまるところなので、できればあまり触りたくないのですが、そういう仕様なので仕方ないですね。
排水の音が大きい
水勾配が緩いためか、排水の水量が少ないからなのか、水を使った後、チョロチョロ、ゴボゴボ、結構長時間にわたり排水音がします。
我が家は洗面室なので気になりませんが、リビングや寝室と扉なしの続き間にあったらちょっと気になると思います。
あまり流れない、となると何か固形物を流してしまった時など詰まるリスクも増えるので、気をつけて使っていきたいところです。
オーバーフローがない
このシンクにはオーバーフローがありません。
オーバーフローとは水を止め忘れてしまった時に溢れるのを防ぐために開けられた穴のことですが、このシンクにはその穴がありません。
水を溜めて使う時は、蛇口を開きっぱなしでその場を離れないよう注意が必要です。
水はねはそれなり
SNSでよく見かける水跳ねについては、個人的には許容範囲かと思います。
深さがあるので手洗いでは特に気になりませんが、高い位置からうがいをペッとした時とかはそれなりに跳ねますので要注意。
でも、「実験用シンクだから」特別はねるという程度ではないと思います。
実際に暮らしてみた個人的な感想としては…
・後悔は全くしていない!
・見た目も大きさもやっぱり大満足!
・でも汚れ方は想像以上だったので、人にオススメまではしない
というところでしょうか。笑
おわりに
実験用シンクと病院用シンク。
SNS等でも混同されて紹介されていることが多いので、注意するべきシンクですが、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で選択してほしいと思います!
せっかくシンプルで素敵な商品なので、後悔のないように選んでほしいです。
特に、我が家のように実験用シンクを埋め込みで作ってもらう場合は、「正しい取り付け方ではない」というリスクを知った上でお願いしましょう!
↓実験用シンクSK6はこちら
記事中の写真・図面参照元:https://www.com-et.com/jp/