こんにちは、スーです。
我が家は古民家リノベーション。
リノベーションとなれば、古さを残すのも粋で素敵ですよね。
・でも、実際に残してみてデメリットはなかったの?
そんな風に思う方も多いと思います。
うちも完全に見た目の雰囲気重視で残すことを選択しました。
そして最初に言っておくと、残して本当によかった。
でも、工事が進み、完成し、実際に暮らしてみると、それまで気がつかなかったようなマイナスの部分ももちろんありました。
今日はそんな実体験を含め、リノベーションで既存を魅せる定番、
①梁 ②天井 ③柱
の3つについて、実際残してみてどうだったか?をご紹介します。
①梁
吹き抜けの梁
古民家といえば梁ですよね。
これは我が家の吹き抜けの梁です。
リノベーション前の家は天井が組まれていたため見えなかったのですが↓
ここは平屋部分だったこともあり、解体してみると小屋裏にたくさんの梁と広い空間が出現しました。
おもしろいのは、古民家だと思っていた家に鉄骨梁があったこと。
最初はがっかりしましたが、今では『おもしろい』ポイントだと思っています。
肝心の梁は、正直、思ったほど立派なものではなかった(増築されているようで、思ったよりも新しかった)のですが、鉄骨梁も含めてこれがこの家の歴史なのだと思っています。
和室の梁
同じく、和室の梁も残しました。
この梁は解体前から少しだけ見えていたので綺麗そうだなと目をつけていました。
梁を残すメリット
唯一無二の美しさ
梁は古民家リノベーションの醍醐味とも言える美しい部分です。
立派な梁はなにものにも変えがたい素晴らしい価値になります。
古民家の立派な梁って、保管にも搬送にもお金がかかってしまうため今はほとんど処分されてしまっていて、お金を出してもなかなか買えないんです。
そんな美しさが手に入るのは最大の価値。
梁を残すデメリット
埃溜まりが気になる
最近の住宅の梁は平面的なのですが、古民家の梁は何層にも重なり立体的なことが多いです。
そのため、梁を見せようとすると必然的に吹き抜けを選択することが多くなると思うのですが、やはり埃溜まりは気になるところ。
入居5ヶ月間は特になにもしていませんが(苦笑)、いずれは↓こういうモップを買ってお掃除しようと思っています。
吹き抜けで魅せる場合は空調効率に注意
梁をどう残すか、によりますが、我が家のように吹き抜けにする場合は、やはり空調効率については考えものです。
古民家の天井裏は懐が高いことが多いので、空調効率は落ちがち。
②天井
和室の天井
和室は梁だけでなく天井も現しにしました。
もともとはそのつもりはなかったのですが、解体してみたらすごく綺麗だったので、急遽現しとしてもらうことに。
↓これを見て“見せたい”と思っちゃったんですよね…
何度見ても美しい…
玄関の天井
玄関の天井も和室部分と続き間で現しにしています。
玄関を開けてこの天井が迎えてくれる景色が大好きです。
ちなみに先ほどのリビングの吹き抜け天井は断熱材を入れてもらった後に板張りをしてもらっているので現しではありません。
↓これが既存
↓こんな風に貼ってもらい梁と共に塗装してもらいました
天井を残すメリット
古民家リノベーションにかかわらず、最近は天井を現しにするリノベーションが人気ですよね。
天井高さの確保ができる
最大のメリットは天井高が高くとれること。
ほんの20〜30センチでも、開放感が全然違います。
天井施工費用の削減
そして、天井をつくる費用が抑えられるため、コスト削減になります。
天井の施工は壁の施工よりも態勢がきつく、割高になる部分なので省略できるのはお財布的にも、そして大工さんにもうれしいことかもしれません。笑
天井を残すデメリット
遮音性が格段に劣る
天井を残してみて一番感じたことは、2階の音がかなりダイレクトに伝わるということです。
1〜2階の間に空間がないので当たり前ですね。
今のところ2階はふだんは使っていなくて音に関して不便はしていないのですが、たまに荷物をとりに夫が上がるだけでも 足音がよく聞こえます。
大人の普通歩行の足音だけでも、ですよ。
将来的には2階を子ども部屋にするつもりなので、こりゃ〜大変そうだな…と今からヒヤヒヤしています。
屋根直下の断熱性能向上が必要
梁を見せるということは天井が近いということ。
古民家リノベーションの場合、吹き抜けにした屋根に接する天井部分に断熱処理がしてあることは考えにくく、処理をしなければ断熱性の悪い家、処理をすれば費用がかさむ、2択に悩まされることになります。
うちの場合は後者を選択し、断熱材を入れてもらい、吹き抜け部にシーリングファンを付けてもらうことで空調効率の改善を図りました。
屋根から受ける熱の影響はすさまじいですからね…
長年の汚れが落ちてくる?
それから、入居して気になる点がひとつ。
長年の汚れなのかなんなのかわかりませんが、気がつくと小さな埃のようなものがパラパラ落ちているんです。
リノベーションが完成した時に天井も一度すべて水拭きしたのですが(だっくんが)、いったい何が落ちてくるんでしょう??
既存天井のポテンシャルによると思いますが、新築ではありえないことだと思うのでちょっと気になりました。
週に1〜2回掃除機をかけていれば問題ない程度なんですけどね。
③柱
柱もリノベーションで魅せたい定番。
我が家は思いの外“いい柱”がなくて(泣)、見せている柱は3本だけです。
柱は既存の家でも現しだったので傷だらけです。
ですがこの傷はもちろん、ホゾなどもそのまま残しています。
これがこの家の歴史ですから。
寝室は柱と共に既存の小窓も残しました。
↓この小窓、分かります?
だっくんが残したいと急に言い始めて残したんですが、とってもかわいいです(^^)
柱を残すメリット
柱は梁と同じくらい、古民家らしさを表す美しさを放っています。
また、梁や天井以上に、人が触れる部分なので、前の住人の落書きがあったり、生活傷があったりするのは面白いポイントです。
柱を残すデメリット
汚れがなかなか取れない
これも既存の状態によるのですが、結構汚いです。
我が家も竣工後から何度も何度も水拭きしているのですが、拭いても拭いても雑巾が茶色くならない日がありません。苦笑
長年溜まった汚れやアクが染み付いているのでしょう。
工務店さんには少し削って綺麗に塗装しましょうかと言っていただきましたが、こちらでお断りしました。
歩いたら服が汚れるとかそんなひどいレベルではないので、直接ベタベタ触らなければ気になりませんが、気になる方はアク抜きをしたり、薄く削ってもらったりするといいでしょう。
長年の間に傾いていることも
我が家もリノベーションの計画段階で現調に来てもらった時にわかったのですが、リノベーションの恐ろしいところは、水平垂直が取れていないことです。
例えばこの柱。
上下で3センチくらい傾いてます。笑
新築だったらそのあたりを調整しながら作業できるのですが、リノベーションで傾いた柱を戻すとなるとなかなか大掛かりになります。
キッチンに残した柱も傾いていて、冷蔵庫を搬入時に上部はゆとりが3センチちょっとしかなくてヒヤヒヤしました。
(プロに頼んだので意外にも余裕そうに搬入したらしいですが)
傾いているのは柱を見せる見せないに関わらず結構大変です。
特に見せる場合は我が家のように仕上げにも影響してきてしまうので、もし残す場合は、建て入れ(まっすぐかどうか)を必ずチェックしてください!
おわりに
雰囲気重視で即断した既存残しでしたが、実際に暮らし始めてみると電気代が気になってみたり、日々のお掃除が気になってみたり。
でも、最初に書きましたが、 ①梁 ②天井 ③柱、どれをとっても それらを超えるくらいには、残して魅せて本当によかったと思っています。
それくらいの美しさがあると思っています。
リスクもわかった上で、ぜひ“古き良き既存”を積極的に残していってほしいと思います。